「男がスキンケアなんて、ちょっと気恥ずかしい」「周りにどう思われるか不安だ」その気持ち、痛いほど分かります。
特に、オンライン会議で自分の疲れた顔を見て愕然としたり、彼女のような身近な人から「これ使ってみなよ」と肌のことを指摘されたりすると、余計にそう感じてしまいますよね。「男がそんなもの」と、つい素っ気なく返してしまった経験、私にもあります。
しかし、断言します。その感覚は、もはや過去のものです。現代のビジネスシーンにおいて、スキンケアは「美容」ではなく、あなたの市場価値を高めるための「戦略的自己投資」に他なりません。

この記事では、巷にあふれる美容論ではなく、元トップセールスである筆者がビジネスの成果を最大化するという観点から、なぜスキンケアが重要なのか、そして、忙しいあなたが明日から3分で実践できる「最低限の作法」を、データと経験に基づいて解説します。
この記事の書き手
神崎 慶介 (Kanzaki Keisuke)
元大手商社トップセールス / 現・経営コンサルタント
30代で事業部長に昇進後、独立。現在は経営者や次世代リーダー向けに、ビジネスにおける第一印象の重要性を説く「エグゼクティブプレゼンス」の専門家として活動。500名以上のビジネスパーソンのキャリア相談実績を持つ。
この記事に込める想い: 私も20代の頃は、スキンケアに強い抵抗感がありました。しかし、見た目を整えることが、いかにビジネスで強力な武器になるかを痛感した経験から、過去の自分と同じように悩む若いビジネスパーソンの背中を押したいと考えています。
なぜ今、デキるビジネスマンほど肌を意識するのか?3つのデータで見る「不都合な真実」
まず、あなたのその感情は一旦脇に置いて、客観的な事実を見ていきましょう。なぜなら、あなたが思っている以上に、ビジネスの世界では清潔感という要素が良い第一印象を形成し、それが最終的に顧客評価にまで繋がるという、無視できない現実があるからです。

データ1:ビジネスパーソンの約7割が「身だしなみは契約に影響する」
株式会社アーバンプランの調査によれば、働く男女の69%が「服装や身だしなみは取引先の契約成否や業績に影響する」と回答しています。その理由は「第一印象は大切だから」というものが大半です。肌のコンディションは、その第一印象を左右する極めて重要な要素なのです。
データ2:役職者ほどスキンケアを行っている
聖心美容クリニックが行った調査では、興味深い結果が報告されています。役職に就いている男性は、一般社員に比べてスキンケアを行っている割合が20〜30%も高いのです。これは、責任ある立場の人ほど「自己管理能力の高さ」や「信頼感」を外見から示すことの重要性を理解している証左と言えるでしょう。
データ3:男性化粧品市場は5年で1.8倍に急成長
市場調査会社のインテージによれば、男性化粧品の市場規模は2024年に497億円に達し、この5年で1.8倍にまで成長しています。これは、男性のスキンケアがもはや一部の特別な人たちのものではなく、社会全体で「当たり前のこと」として急速に浸透していることを示しています。
これらのデータが示すのは、スキンケアをためらうあなたの横で、ライバルたちはすでに「清潔感」を武器にし始めているという、少し不都合な真実なのです。
発想の転換:スキンケアは「美容」ではなく「ビジネスマナー」であり「自己投資」である
「データは分かった。でも、やっぱり抵抗がある…」
その気持ちこそが、メンズスキンケアを始める上での最大の障壁となる心理的抵抗です。ですから、ここで最も重要な「発想の転換」を提案させてください。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: メンズスキンケアを、スーツや髪型と同じ身だしなみの一部であり、キャリアのための自己投資であると捉え直してください。
なぜなら、私自身、スキンケアを始めた当初は「気恥ずかしさ」がありました。しかし、顧客からの反応が明らかに変わり、「神崎さんはいつも溌剌としているね」と言われる機会が増えたことで、これは美容ではなく「相手への敬意を示し、信頼を勝ち取るための装備だ」と考えが変わった経験があるからです。この発想の転換が、あなたの行動を加速させるはずです。
スキンケアは、ヒゲを剃ること、寝癖を直すこと、スーツにアイロンをかけることと何ら変わりません。すべては、あなたの仕事への真摯な姿勢を、言葉を使わずに相手に伝えるための「ビジネスマナー」なのです。

トップセールスが実践する「最低限のスキンケア」- 3分で始める多忙なあなたのための入門ガイド
では、具体的に何をすればいいのか。安心してください。最初から多くのことをやる必要は全くありません。
ビジネスで成果を出すために重要なのは、完璧さではなく継続です。多くの人が、最初から高価な化粧品を揃えようとしたり、複雑な手順に挑戦したりして挫折します。これが、初心者が陥りがちな典型的な失敗です。
あなたがまず始めるべきは、朝晩たった3分で終わる、以下の2ステップだけです。
- 洗顔:余分な皮脂や汚れを落とす
- 保湿:清潔になった肌に潤いを与える
これだけです。使うアイテムも、2つだけで十分。
- 洗顔料
- オールインワンジェル(化粧水、乳液、美容液などが一つになったもの)
どちらも、近所のコンビニやドラッグストアで、それぞれ1,000円前後で手に入るものからで全く問題ありません。高価なものである必要はないのです。大切なのは、まず「始める」こと、そして「続ける」ことです。

よくある疑問(FAQ)
最後に、あなたが行動する直前に抱くであろう、細かい疑問にお答えします。
Q. 肌がベタつくのが苦手です。どうすれば?
A. よくある悩みですね。その場合は、「さっぱりタイプ」や「オイルフリー」と書かれたオールインワンジェルを選んでみてください。最近の製品は使用感が非常に良く、ベタつきが気になる方向けのものが豊富にあります。
Q. どのタイミングでやればいいですか?
A. 基本は「朝の洗顔後」と「夜の入浴後」の2回です。特に、ヒゲを剃った後は肌がダメージを受けているので、保湿は必須と考えてください。
Q. 彼女に勧められた化粧水を使ってもいい?
A. もちろんです。むしろ、あなたのことを思って選んでくれたのですから、ぜひ感謝して使ってみてください。もし使用感が合わなければ、その時に自分で別のものを探せば良いのです。大切なのは、その一歩を踏み出すことです。
まとめ:あなたの市場価値は、今日の行動で変わる
この記事でお伝えしたかったことは、非常にシンプルです。
- 現代のビジネスシーンにおいて、スキンケアは「気持ち悪い」ものではなく、あなたの市場価値を高める「戦略的自己投資」であること。
- 始めるべきは、高価な化粧品や複雑な手順ではなく、「洗顔+保湿」という、たった3分で終わる最低限の2ステップだけで十分であること。
「スキンケアは気恥ずかしい」と感じていた昨日までの自分に、別れを告げましょう。この小さな一歩を踏み出すことで、あなたはビジネスシーンで新たな自信を手に入れ、周りからの評価を変えていくことができるはずです。
今日の帰りに、コンビニかドラッグストアに寄ってみませんか? たった1,000円程度の投資で、明日からのあなたの第一印象が、そして未来のキャリアが変わるかもしれません。
[参考文献リスト]
- 株式会社インテージ. (2025年2月4日). 成長トレンド続く「男性化粧品」市場. https://www.intage.co.jp/news/5329/
- PR TIMES (聖心美容クリニック/医療法人社団美翔会). (2025年5月8日). 「スキンケアは、身だしなみ」。ビジネスシーン、男性同士でも皮脂やニキビに嫌悪感。肌は出世にも影響?役職者は一般社員よりも20~30%多く肌をケア. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000043191.html
- PR TIMES (株式会社アーバンプラン). (2024年1月23日). 〖ビジネスファッションに関する調査〗スーツ勤務のオフィスワーカーは3割以下。一方で約7割が「服装は契約の有無に関係する」と回答. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000083983.html

